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コラム家づくり時評
強度偽装問題(1)この事件に関与した一部の人たちの態度があまりに悪いため、なにやら「白日の下にさらけ出された建築業界の正体」のようなイメージでとらわれています。やっぱり建築業界は一皮めくれば極悪人ぞろいなのだと・・・ 私がザ・ハウスを設立したのは、建築・住宅業界があまりにも施主不在の運営をしていることに疑問を感じたからです。この建て主と業界の中間というわが社の位置は、家づくりのしくみ全体を俯瞰できるとてもいい位置にあって、私は世間で言われているのとはちょっと違う感想を持っています。 建築業界というのは、買い手と売り手の知識差が大きいので、売り手側がいかようにも買い手をリードできてしまう業界です。ようするに、騙そうとすればいとも簡単に騙せてしまう業界で、一言で言えば売り手の良心次第といえます。 だからといって、みんながみんな騙そうとする人ばかりではありません。むしろはじめから完全な悪意を持って騙そうとする人は稀だと思います。問題は、騙そうとする人とそうでない人を肝心の買い手が判別することが大変難しいことです。 例えば、「監理」という言葉があります。 「監理」とは本当に図面どおりに工事がなされているかをチェックする業務で、法律で一級建築士が建物ごとに監理者に就任します。しかし、設計と施工を同じ会社で行うハウスメーカーや工務店の家は、同じ社員建築士がチェックをするわけですから、当然チェック機能などは働きません。やはり施工者の良心次第で手抜き工事でも何でもできてしまうのです。 実際にも、人の手配やスケジュールなどの「管理」はやっていますが、「監理」は「管理」のついでくらいしかしていません。ひどい場合−決して例外ではありません−は、代願屋さんと呼ばれる一級建築士が何万円かをもらって建築確認に名前だけを貸したりしていて、監理者が現場に一度も来ないことさえあります。つまり、「監理」というシステムは事実上機能していないのです。 ところが、ここから先が複雑なのですが、そうだからといって必ずしも買い手を騙そうとしているとは限らないのです。 本当に重箱の隅をつつくように厳しく監理をされたら、無意味なところにやたらとコストをとられて、結局はそのしわ寄せが買い手に行ってしまうと、むしろ建て主への思いやりから本当の意味での監理を敬遠している施工者は少なくありません。その裏には、他人にチェックなんかされなくても、立派な家を建てて見せるという、職人としてのプライドが絡んでいますので余計に複雑です。 しかし、それでは買い手から見れば、ますますいい業者とそうでない業者を見分けることが難しいということになります。 そこで、国も設計者でも施工者でもない、全くの第3者が監理をするという制度の導入を検討しています。いわば、大企業に対する監査会社みたいな存在でしょうか?しかしこれはこれでまた問題があるのです。
2005/12/4(関)
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