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コラム家づくり時評
強度偽装問題(3)さて、監理も機能しない、第三者監理も問題があるとすると、一体どうすればいいでしょう? 5年前に品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)というのができて、住宅性能表示制度や施工者の瑕疵担保責任などが導入されました。 住宅性能表示制度は、住宅をいろいろな基準で審査し、その評価を項目別に表示する制度で、これで高い評価を取ると中古になったときに高く売れる、などといわれています。が、住宅というのは生活というソフトウェアと一体になったものであって、ハードウェアとしての性能を追うことには限界があります。もちろん、一定の安全基準を満たすことは必須ですが、それ以上の性能ということになると、ある意味趣味の世界になります。 例えば、最近は高気密高断熱という言葉が出てきて、1年中室内の温度変化が少ないことがよかろうという風潮になっています。高気密高断熱の家というのは防音にも優れていますので、この中にいると今日はどんな気温でどんな天気かが分からないことがあります。例えば小雨くらいの雨なら気配すら感じません。朝家を出てから、今日は雨が降っていて寒いということに初めて気づき、あわててコートと傘を取りに戻る、なんてことになります。 このような状態を不健康である、と感じる方も少なくありません。四季の変化を肌で感じ、雨音を聞くことこそ、生活の醍醐味であり、生きている実感なんだと・・・ このような方が、「低気密低断熱」の家を建てたからといって、これを「性能の低い家」ということが出来るでしょうか? 確かに「性能の低い家」ではあるかもしれませんが、誰がなんと言おうとその人にとっては「価値のある家」であることには違いありません。 つまり、「性能の高い家」と「価値のある家」ということは必ずしも一致しないのです。 性能表示制度によって、ハードウェアとしての性能が高いほど「価値のある家」という風潮になりつつあります。しかし、個々の建て主の多様なライフスタイルや価値観に合わせて豊富な選択肢があることが何より大切であって、ひとつの評価軸で「いい家」のあり方を強要されることには疑問を感じざるを得ません。
2005/12/19(関)
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