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知識
工事監理施主が承認したしっかりした設計図があったとしても、施工の段階で図面通りの工事が行なわれていなければ意味がありません。このような状況を防ぐためには『工事監理』と呼ばれる役割が重要です。 工事監理とは、設計図通りに工事が行われているかを確認する作業をいい、建築基準法で確認申請書に工事の監理者を記載するよう義務付けられています。 監理という工事に対するチェック機能が有効に作用するためには、監理者の能力もさることながら、監理者の「立場」が最も重要です。 監理者が施工者に遠慮なく物を言えるためには、監理者が施工者から独立していることが必要があり、設計者本人か、それ以外の建築士などが監理者になることが望ましいといえます。 しかし、工務店やハウスメーカーのように設計・施工を行う会社の場合は、チェックするはずの監理者がチェックされる施工会社に従属していることがほとんどであり、結果としてチェック機能は働きません。実際にもチェック機能としての監理は行っていない場合がほとんどで、場合によっては監理者が一度も現場に足を運ばないことさえあります。 これは、工務店やハウスメーカーの悪意や怠慢というよりも、工事監理制度そのものの欠陥ということができます。工務店やハウスメーカーが監理を厳密に行わないのは、手抜き工事を目的としているわけではなく、コスト競争に勝ち抜くために工事の効率化を考えてのことで、それ自体正しいこととはいえませんが、それを簡単に許す制度側の問題であることは明白です。 それを補完する意味で、第三者検査や性能表示制度などがありますが、本来であればまず初めに工事監理制度が有効に機能するように法律の見直しを行うことが先決です。 また、施主側も依頼先の選考基準のひとつとして、その会社が工事監理を厳しく行える体制にあるかどうかを問うことも、業界側の意識を変える大きな力になります。 なお、工程計画を立て、職人や作業員、材料を手配したり、実際に工事を指揮監督する「施工管理」と呼ばれる役割は、工事監理と言葉は似ていても全く別のものです。 ◆工事監理の作業項目 1.着工前 工事監理実施計画の打合せ
2.着工時の確認 着工時の敷地、建物位置および高さ
3.基礎配筋事、完了時の確認 割ぐり地業や杭打ち地業の確認
4.屋根荷重が構造躯体にかかった時点の確認 土台のアンカーボルトの緊結および継手等の確認
5.仕上げ前の下地の確認 軒裏、外壁
6.設備類の確認 排水管の排水状況など整備類の確認 7.工事完了の確認 開口部の防火整備の種類の確認
8.工事監理業務完了手続き 工事請負契約の目的の引渡し立会い
2005/12/27(佐々木)
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