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知識
賃貸併用住宅家を建てる選択肢の1つに、自宅の一部に賃貸部分を取り込んだ「賃貸併用住宅」があります。 最近、個人の方の注目が資産運用に集まっていることもあって、ハウスメーカー、建設会社、不動産会社も積極的に提案を行っているようです。 しかしながら、単に住宅ローンの負担を軽減するためだけに、安易に併用住宅を計画することは危険です。賃貸併用住宅は、金利の変動や不動産市況を取り巻く環境の変化によって、当初の計画が大きく変わってしまうリスクを伴うものです。 その意味では、将来的な不確定要素に対して最終的なリスクを負うオーナー自身が、専門家からの情報を得ながら、主体的に計画を進めることが重要です。 ◆計画のポイント (1)入居者の需要を調べる 賃貸を計画できるだけの敷地があるからといって、安易に賃貸併用住宅を建てても、その地域に賃貸のニーズがなければ事業収支が成り立ちません。 また、単身者向けのニーズが高いのか、ファミリー向けのニーズが高いのか、といった地域の需要を把握した上で計画することが重要です。 また、土地から取得して賃貸併用住宅を計画する場合には、高い家賃が見込める上に、賃貸ニーズが見込めるエリアでない限り、事業収支計画が成立するケースはまれと考えた方がいいでしょう。 (2)賃貸併用住宅を建てる目的を考える なぜ専用住宅でなく、賃貸併用住宅を計画する必要があるのかを考えましょう。当初は住宅を建替えることが大きな目的だったにも関らず、いつのまにか必要以上の大規模な事業を検討しているという方が少なくありません。 目的が「賃貸部分はローンの負担を軽減するためのもので、あくまでも住みやすい家を建てること」なのか、事業としての「採算性」なのか、「節税効果」なのか、どこに軸足を置くのかを考えつつ計画を進めていくことが重要です。 特に住宅部分の住みやすさに影響が出るのは、プライバシーの問題です。アプローチを分離したり、メゾネットにするなど、賃貸部分との接点が少なく独立性を確保できる間取りにすることが重要です。 また、賃貸併用住宅の場合には、戸建住宅とは異なる建築上の制限も生じます。敷地内に空地を設けたり、2方向の避難経路を確保することが必要になり、場合によっては、住宅部分の動線や配置に影響が及び、住みやすい住宅を建てる目的が妨げられてしまうことがあります。 (3)綿密な資金計画を立てる 賃貸住宅が併用されることで建設資金が増えるため、借入は大きな額になります。一般的な戸建住宅を建てるよりも、当然リスクは大きくなりますので、それだけ綿密な資金計画を立てておかなければなりません。 条件にもよりますが、賃貸併用住宅を建築すると相続税、固定資産税、所得税等の節税効果が期待できます。この場合は、さらに緻密な計算と経験が必要なため、税理士などの専門家を交えて計画を進めていく必要があります。 また、銀行から融資を受ける場合は、原則として、住宅部分の面積が総面積の半分以上なければ住宅ローンの利用ができません。住宅ローンと事業性の高いアパートローンとでは、適用される金利等の条件が異なるので注意が必要です。 (4)賃貸事業のパートナーを探す 建物の計画はもちろん重要なことですが、長期的な視点に立つと、運営や管理の知識を備えた経験豊富なパートナーの力は欠かせません。 ハウスメーカーや建設会社から、建築計画とあわせて事業収支計画が提案されることがありますが、これは建築工事を受注するための「営業ツール」的な役割を果たすもので、できるだけ少ない投資で、長期に渡って安定収入を確保したいと考えるオーナー側の視点とは異なることを踏まえておきましょう。 2006/1/8(矢野)
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